養鰻業者のまかない飯「ぼくめし」に注目!
3年ほど前、浜松で取材があって1泊した際、ホテルの近くにあったうなぎ屋に入りました。オーダーしたのは「ぼくめし」。
マルマ養魚のぼくめし |
「ぼく」とは、太いウナギのことです。泥に潜って網を逃れ続け、池の主のようになった大ウナギを大木になぞらえて「ぼく」と呼びました。お重からはみ出してしまうようなウナギで、商品価値はありませんが、脂がたっぷりのって味は全く問題がありません。
「ぼくめし」は、そんな大ウナギを使ったまぜご飯で、名古屋の「ひつまぶし」に似ています。しかし、新居町の「ぼくめし」には、ゴボウが入ります。一口大のウナギと、ささがきにして油で炒めたゴボウのまぜご飯です。
で、このゴボウが侮れないのです。非常にいいアクセントになっていました。
なので実は、浜松のうなぎ屋で食べた「ぼくめし」は、おいしかったのはおいしかったんですが、ゴボウのささがきがイマイチな印象。新居町でご馳走になった、本場「ぼくめし」がうますぎたのか、あるいはその時の思い出が、「ぼくめし」を美化させていたのか・・・。少し前の記事(函館本線長万部駅の名物駅弁「かにめし」)でも、同様の体験を書きましたが、今回の場合は店が違うので、やはりもう一度、本場新居町の「ぼくめし」を食べてみたいと思ったものです。ちなみに、取材させて頂いた養鰻家の会社(マルマ養魚)では、「ぼくめし」が簡単に作れるパックを直売所で販売していました。これのおかげで、「ぼくめし」は一般家庭にも広がり、またマスコミでも取り上げられるようになり、「ぼくめし」をメニューにのせる料理店も出来たと聞きました。
取材をしたのは、そんな「ぼくめし」が、養鰻業者のまかない飯から、新居町の郷土料理へと変貌を遂げつつある時期でしたが、今ではもっとポピュラーになっているに違いありません。
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