日光街道第三の宿場町・越谷あれこれ
江戸時代の地口(言葉遊び)に「草加(そうか) 越谷 千住の先よ」というのがあります。越谷は千住、草加に続く日光街道第三の宿場町。日光街道は、日本橋を起点に千住から草加、越谷と続き、更にその先に粕壁(春日部)など、日光までに全部で21の宿場が置かれていました。 千住は日光街道第一の宿で、松尾芭蕉『おくの細道』旅立ちの地でもあります。また次の宿・草加は草加せんべいで有名。越谷の次、春日部はアニメ『クレヨンしんちゃん』の舞台として知られます。そう思うと、この越谷、かなり影が薄いように感じてしまいます。 越谷市の人口は約34万人。1962年に東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)が東京メトロ日比谷線と直通運転を開始して以降、東京のベッドタウンとして急速に人口が増加。更に2008年3月にJR武蔵野線の越谷レイクタウン駅が開業。その年10月には、越谷レイクタウン駅北口駅前に日本最大のショッピングモール「イオンレイクタウン」がオープンし、影が薄かった越谷もだいぶ様相が変わってきました。今では、大東建託賃貸未来研究所による「街の幸福度ランキング」調査で、越谷レイクタウン駅が、4年連続で「街の幸福度(駅)」埼玉県版のトップになるなど、イメージも良くなっているようです。 そんな越谷市に、平安時代中期の創建とされる古社・久伊豆神社があります。江戸時代には鷹狩りの折に越谷に宿をとっていた将軍が参拝されたと言われ、社紋「立葵」はその際に徳川家から奉納されたと伝えらています。明治維新後はこの辺りの総鎮守として郷社に列格。宮内庁越谷鴨場と共に市の「環境保全地域」に指定されています。 久伊豆神社の境内には、樹齢約250年、県の天然記念物に指定されている藤があります。神社によると、「この藤は埼玉県指定の天然記念物で、株回りが7m余り、地際から7本に分かれて、高さ2.7mの棚に枝を広げている。枝張りは東西20m、南北30mほどあり、天保8年(1837年)、越ヶ谷町の住人、川鍋国蔵(ほうき職人だったらしい)が、現在の千葉県流山から、樹齢50余年の藤を舟で運び、当地へ移植したといわれています」とのこと。 花の見頃は、だいたい4月末から5月初旬のゴールデンウィークの頃で、市内外から花を愛でるため多くの人が訪れます。 また、その少し前の3月下旬から4月上旬には、北越谷の元荒川桜堤でソメイヨシノが咲き誇り、多く...