岩手県一の豪雪地帯西和賀町の冬
昨日のブログ(「雪国の叙情あふれる小正月行事 - 横手のかまくら」)で、横手取材に当たって、往路は秋田新幹線を使って大曲経由にしたものの、復路は西和賀に立ち寄るため北上経由にしたことを書きました。で、朝、横手で人のいない武家屋敷通りでかまくらを撮影した後、北上線で「ほっとゆだ」駅に向かいました。
横手駅から、ほっとゆだ駅までは、普通列車だと6駅、快速だと3駅なのですが、なぜか所要時間は変わりません。中には、快速より1分早い普通列車もあり、不思議なタイムスケジュールです。
さて、到着したJR北上線ほっとゆだ駅は、全国でも例を見ない温泉付きの駅舎です。ただ「温泉付き」とはいえ、外に出て駅舎を眺めると、どう考えても、併設の温泉の方がメインに見えます。湯田温泉峡のシンボルとしての存在感は確実にあるようです。
湯田温泉峡には、湯本温泉、湯川温泉、大沓温泉、巣郷温泉があり、20軒ほどの宿が営業しています。この他、駅の温泉「ほっとゆだ」を含め、日帰り温泉が10箇所あります。ちなみに駅舎内の「ほっとゆだ」は、源泉かけ流しで、午前7時から午後9時の営業。大浴場には信号機が設置してあり、青・黄・赤の色で列車が近づいたことを知らせてくれます。というわけで、私も帰りに入ってみることにし、まずは目的地の錦秋湖へ向かいました。
駅前の道を70〜80mほど歩くと、鬼ケ瀬川に架かる「ほっと三五橋」に出ます。駅を背にして、橋の左側は鬼ケ瀬川が錦秋湖に注ぐ河口部になります。
錦秋湖は、北上川の治水用に和賀川の流れをせき止め、1964(昭和39)年に完成した湯田ダムによって形成された人造湖です。その名の通り、秋には錦色に燃える紅葉が湖面を彩ります。また、雪解け水が流れ込み、豊かな水をたたえて新緑に染まる春も、美しい姿を見せるそうです。
その一方、私が行った冬は、湖が全面結氷して、カンジキを履いて湖畔を歩くツアーが開催されたりしています。
西和賀町は雪の多い岩手県の中でも豪雪地帯と言われる地域で、家の屋根から雪が大きくはみ出していたり、看板が大きな白い帽子をかぶっていたり、関東では絶対にお目にかかれない光景に遭遇しました。そんなわけで、全面結氷の湖を撮影するつもりで降り立ったものの、雪が多すぎるため、目の前にはただの雪原が広がるだけでした。当初の目論見では、次の列車が来る2時間で錦秋湖の雪景色を撮るつもりでした。しかし、撮影は1時間程度で終了。そこで、とっとと駅へ引き返し「ほっとゆだ」で冷えた身体を温めてきました。その後、次の列車が来るまで、駅前の湯夢プラザで山菜てんぷらそばで腹ごしらえ。西和賀の滞在時間は2時間でしたが、駅ナカ温泉にも入れたし、ネタとしては良い体験でした。
ちなみに、西和賀町には冬の二大イベントというのがあるそうです。一つは「ほっとゆだ北日本雪合戦大会」。1チーム7人で対戦し、シェルターで雪玉を避けながら相手陣にある旗を奪うか、残っている選手の多さで競う雪合戦です。例年、100チーム近くが参戦するとのことで、豪雪地帯を逆手にとった町おこしになっているようです。
もう一つのイベントは、「雪あかり in にしわが」で、ほっとゆだ駅前を始め町内あちこちを会場に、2万本のろうそくに火がともされ、町中が幻想的な雰囲気に包まれるそうです。今年は残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止となったようですが、湯田温泉郷には宿も多いので、機会があったら、訪問してみたいものです。
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