雪国の叙情あふれる小正月行事 - 横手のかまくら
横手市は秋田県南部、東北新幹線の岩手県北上駅から北上線で横に約1時間10分、山形新幹線の山形県新庄駅から奥羽線で約1時間30分の場所にあります。ただ、東京方面から行く場合は、秋田新幹線で大曲まで行き、そこで奥羽本線に乗り換えることも出来ます。
例えば、10時台で検索すると、東北新幹線は東京10:36→北上13:32/13:40→14:51横手(4時間15分13,960円)、山形新幹線は東京10:00→新庄13:31/14:17→横手15:45(5時間45分13,400円)、秋田新幹線は東京10:20→大曲13:35/13:42→横手14:01(3時間41分17,110円)ということになります。距離では北上経由が548.6km、新庄経由が501.1km、大曲経由は629.6kmと、新庄経由が一番近いのですが、最寄り駅まで新幹線で行けるかどうかや、乗り換え時間などにより、所用時間はだいぶ違ってしまいます。で、私の場合、往路は秋田新幹線で大曲経由、復路は西和賀に立ち寄るために北上経由を選択しました。
さて横手に行ったのは、2月15、16日の雪まつりのためです。横手の雪まつりでは、雪を丸く固めて中を繰り抜いた「かまくら」が、市内のあちこちに出現します。会場は横手城のある横手公園など4カ所があり、全部で100を超えるかまくらが作られるそうです。中でも黒塀の武家屋敷通りがある羽黒町と、昔ながらの雰囲気を感じさせる二葉町のかまくらが人気です。また市内の小学校の校庭では、無数のミニかまくらにろうそくが灯り、幻想的な光でいっぱいになります。
かまくらは小正月にしめ縄などを焼く左義長と、井戸の側の雪穴に水神を祭る風習が結びついたものと言われています。戦後は「ぼんでん」の神事と共に雪まつりとして開かれ、多くの観光客が訪れるようになりました。
高さ3m近いかまくらは、市観光協会認定の「かまくら職人」が作ります。夕闇と共に、それらのかまくらやミニかまくらに灯がともると、まるで童話の世界のような光景が展開します。そして、かまくらの中からは子どもたちが「はいってたんせ(入ってください)」「あがってたんせ(召し上がってください)」と声を掛け、甘酒や餅を振る舞ってくれます。
私の目的は、こうした伝統行事の風景を撮影することでしたが、予想以上に観光客が多い上、明るい場所は情緒がなく、情緒のある所は暗すぎて思うような写真が撮れませんでした。結局、人がいない朝に再撮影。雑誌には、そちらを使ってしまいました。
ところで、横手と言えば、「横手やきそば」が有名です。横手やきそばは、太くてまっすぐな麺、上に乗った半熟の目玉焼き、汁気が多く、福神漬けが添えられるのが特徴と言われます。
そんなわけで、私も横手に着いて早速、横手やきそば四天王の一つ、「食い道楽」の駅前店に入ってみました。食い道楽は、「横手やきそばグランプリ決定戦」で初代グランプリを獲得して以来、12年連続でグランプリを受賞した店だそうです。
オーダーはもちろん横手やきそば。が、私が座った席の横にあったホワイトボードに、サイドメニューとして「ホルモンの煮込み」が書かれており、つい、そちらも頼んでしまいました。そして、実は横手やきそばより、ホルモンの煮込みの方が、おいしかったのです。この後、町中を歩いていたら、ホルモンやきそばという看板が目に入ったので、後でチャレンジしてみようかなどと、思案しながら、かまくらの撮影に臨んだ私でありました。
コメント
コメントを投稿