常磐線我孫子駅「弥生軒」の唐揚げそば
全国の駅そばを30年にわたって食べ歩いた駅そば研究家による「全日本愛と感動の駅そばランキング」の第1位は、常磐線我孫子駅にある弥生軒でした。とはいえ、駅そば研究家の弥生軒評は「ごくありふれた駅のごくありふれた駅そば」。更にネットのクチコミでも「そばは普通」との評価が多いのです・・・。
それがなぜ、駅そばNO1なのかというと、その秘密は、平成になって始めたトッピングの唐揚げにあるようです。ボリューム満点の唐揚げは、たちまち人気となり、やがて客の絶えない駅そばになったのです。
ただ、唐揚げは作り置きなので、常連の間では、つゆに浸し温かくしてから食べるという裏技が定番らしいことも分かりました。
で、ある日、私も我孫子駅へ行ってみました。
実はこれ、編集部の若手スタッフが担当するコラムの代打取材だったのです。というのも、直近の出張で、ちょっとした食べ物ネタを扱うコラムの取材も一緒にやってくるはずが、体調不良により取材が出来なかったということで、私が急遽、何かをやっつけなくてはいけなくなったのです。
そこで、他の企画と場所がかぶらず、しかも近場で取材出来るもの、という条件の中、弥生軒の唐揚げそばを選びました。もちろん朝食を抜き、それなりに構えて行ったのですが、それにしてもヘビーな駅そばで、既に若手ではなかった私には結構堪えました。
ちなみに、朝9時の段階で、1・2番ホームの唐揚げは売り切れ。仕方なく階段を上り下りして隣のホームでゲットしました。それでも、私の唐揚げが最後の1個でした。唐揚げは、外で作って運んでくるらしく、次に入るのは10時過ぎ、とおばちゃんが客に説明していました。
ところで、もう一つ、この店を有名にしているものがあります。山下清です。
清は昭和17年から5年間、住み込みで働いていました。弥生軒は当時、駅弁を販売していたのですが、その弁当の包装紙には、清の絵が使われていました。
ただ、その間も清の放浪癖は治まらず、旅から戻る度に、社長から怒られるという繰り返しだったそうです。
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