三陸鉄道と大船渡線の結節点・盛駅
昨日の記事で書いたSL銀河が運行を開始した2014年4月12日の前週4月5日、6日には、NHKの朝ドラ『あまちゃん』の舞台となり、全国的に注目された三陸鉄道が、3年ぶりに全線で運行を再開しました。今はJRから山田線が移管され、久慈から盛までがつながり三陸鉄道リアス線となっていますが、当時はまだ久慈 - 宮古間の北リアス線と、釜石 - 盛間の南リアス線に分かれていました。ちなみに盛以南は大船渡線、久慈以北は八戸線につながり、岩手県沿岸部を縦貫する大事な足となっています。
東日本大震災では、南北リアス線107.6km(現在は全線163km)のうち約320カ所で津波被害を受けましたが、「三鉄は地元の足」だと全社一丸となって復旧に取り組み、震災の5日後には、比較的被害の少なかった北リアス線の陸中野田 - 久慈間で運行を再開。その後「三鉄の希望作戦」と名付けたがれきの撤去作業を進めた自衛隊、修復されたホームや駅舎を掃除してくれた地域住民、全国から駆け付けたボランティアなど、多くの人の力を借り、徐々に復旧区間を拡大させてきました。そして4月5日に南リアス線、6日に北リアス線がつながり、ついに全路線で復活を果たしたのです。SL銀河運行開始の日は、そんな時期でもあったので、私もまだ乗っていなかった南リアス線に乗車してみました。この時、一緒に乗った乗客の一人は、大阪から休暇を取って三陸鉄道に乗りに来たという鉄道マニアで、前日は北リアス線に乗ってきたと話し、北リアス線はトンネルばかりで風景があまり見えなかったが、南リアス線はどうでしょう、と聞かれました。しかし、私も初めてなので、分かるはずもなく・・・。
しかも私の場合、取材の合間だったので、乗車したのは釜石から唐丹までの3駅だけでした。で、ここまでが釜石市で、次の吉浜駅からは大船渡市に入ります。南リアス線も比較的トンネルが多い路線らしいのですが、吉浜(吉浜漁港)、三陸(越喜来漁港・泊漁港)、甫嶺(鬼沢漁港)、恋し浜(小石浜漁港)、綾里(野々前漁港・綾里漁港・石浜漁港)と、駅周辺に漁港があるように、三陸の海もばっちり眺められます。この後、三陸鉄道は陸前赤崎を経て、終点の盛駅へと向かいます。
盛駅は、大船渡市の行政・司法の中心・盛町にあり、JR大船渡線の終着駅でもあります。三陸鉄道とは乗り入れしていませんが、ここで大船渡線に乗り換え、陸前高田、気仙沼を経て、一ノ関駅まで通じています。この路線も山田線同様、大きな被害を受け、こちらはいち早くBRT(バス高速輸送システム)に切り替え、気仙沼 - 盛間は2013(平成25)年3月2日から大船渡線BRTとして運行しています。
大船渡線BRTがスタートして2週間近く経った3月14日、大船渡で取材があり、大船渡駅や盛駅周辺も見てきましたが、盛駅付近で踏み切りの設置工事をしていました。工事をされている方に聞いてみると、4月3日から大船渡市内の盛 - 吉浜間が運行を再開するとのことでした。
で、盛駅も見に行ってみたところ、本来の大船渡線盛駅の真ん前にBRT盛駅が設置されていました。駅の中にも入れてもらいましたが、2番線の大船渡線は線路が取り払われ、3番線の三陸鉄道側のみ線路が敷かれていました。(※現在はBRT専用道が敷かれ、この2番線が大船渡線BRTの終着となっています)
また、駅の西口と東口を結ぶ跨線橋からは車庫も見え、かわいい三鉄の列車たちが、4月3日からの運転再開を待ちわびているかのように待機していました。
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