スピードと高い守備力で日本代表に定着 - 赤石竜我さん

赤石竜我
車いすバスケットボール代表

5歳の時、ぜんそくの発作で入院。治療を終え退院する日の朝、突然立てなくなりました。精密検査の結果、日本で3例目という難病だと判明。脊髄損傷で車いす生活を送ることになりました。

その後、リハビリを続ける中、小学校4年生の時に、当時通っていたリハビリの先生から車いすバスケットボールのことを聞き、現在所属しているチーム「埼玉ライオンズ」を紹介してもらいました。当時はあまり興味を持てませんでしたが、中学に入学すると、仲のいい友人がバスケット部に入部したり、3歳上の兄がバスケットをしていたりする影響もあって、改めて埼玉ライオンズの練習に参加させてもらうことにしました。

ちょうどその頃、2020年の東京パラリンピック開催が決まりました。赤石さんはその出来事に運命的なものを感じ、バスケットにのめり込むようになります。もちろん競技を始めたばかりで明確な目標ではありませんでしたが、東京パラリンピックに出たいという気持ちはその時から少なからずあったといいます。

中学2年の時、正式にチームに加入。ぐんぐん頭角を現し、高校1年で初めて国際大会を経験。それがきっかけとなって日本代表を目指すようになりました。今度は明確な目標でした。そして高校2年で23歳以下日本代表に選ばれ、その1年後にはフル代表にも初招集されました。

赤石さんの持ち味はスピードを生かしたディフェンス力。スピードでは日本でも1、2を争うレベルにあり、日本代表で求められているのもそこだと自覚しています。逆に一番の課題は得点力で、特にアウトサイドシュートの確率を上げるため、さまざまなトレーニングに励んでいます。

「東京パラリンピックに出場する日本代表チーム12人の中に残ることが当面の目標でしたが、選ばれただけでは意味がなく、選ばれたからには結果を出す義務があります。日本代表チームが目標としている初のメダル獲得に貢献した、と言われるような活躍をしたいと思っています」

スピードと高い守備力で、日本代表に欠かせない存在になっている赤石さん。その目線は更なる高みにあります。

【成績】予選リーグ:8月26日のコロンビア戦は63対56で勝利、赤石選手のプレイタイムは11分15秒、フィールドゴール(FG)は0/3でした。27日の韓国戦は59対52で勝利、赤石選手は8分51秒の出場で、FG2/2、アシスト(AS)1でした。28日のカナダ戦は62対56で勝利、赤石選手は11分14秒の出場で、FG0/1、1ASでした。29日のスペイン戦は61対79で敗戦、赤石選手は30分28秒の出場で、FG3/8、5AS、1リバウンド(RB)でした。30日のトルコ戦は67対55で勝利、赤石選手は33分45秒の出場で、FG1/5、5AS、3RBでした。
決勝トーナメント:9月1日の準々決勝(オーストラリア戦)は61対55で勝利、赤石選手は28分21秒の出場で、FG0/1、3AS、5RBでした。9月3日の準決勝(イギリス戦)は79対68で勝利、赤石選手は30分の出場で、FG4/6、2AS、3RBでした。9月5日の決勝(アメリカ戦)は、第4クォーター残り5分49秒に鳥海選手の得点で56対51と5点差をつけましたが、そこから1分半の間にアメリカが8連続ポイントをあげ逆転、日本も香西選手と赤石選手の得点で追いすがったものの、最終スコア60対64で残念ながら敗戦となりました。赤石選手は26分2秒の出場で、FG3/4、3AS、1RBでした。日本は開幕前の予想をはるかに上回る大躍進で、初の銀メダルを獲得しました。赤石選手もスペイン戦以降、出場時間を大幅に伸ばし、鳥海選手に次ぐプレイタイムの中、スピードを生かして攻守にわたって活躍、日本の銀メダルに多大な貢献をしました。

●競技日程:車いすバスケットボール→8月26日から予選グループA(コロンビア韓国カナダスペイントルコ)/9月1日準々決勝(オーストラリア)9月3日準決勝(イギリス)9月5日決勝(アメリカ)

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