新幹線と在来線が同じ高さで見える桑折駅のイルミネーション
「やべぇ! 桑折が栄えてる」
東北本線で福島方面からやって来た中学生が、桑折駅の改札を抜けた途端、声を上げました。
それもそのはず、駅舎ではミニライブが行われ、待合室は100人近い町民でにぎわっていたのです。駅の外にも大勢の人が集まり、笑顔があふれていました。
この日、桑折駅ではクリスマス・チャリティー・コンサート&バザーが行われていました。追分まちづくり協議会と、桑折ライオンズクラブの共催で毎年実施され、桑折町のクリスマスを彩るイベントとして定着しています。
イベントのきっかけとなったのは、駅前通りのイルミネーションでした。奥州街道のうち仙台道28番目の宿駅だった桑折は、羽州街道の起点でもあり、奥州・羽州両街道の追分として栄えました。そんな追分のにぎわいを取り戻し、町を活性化させようと、1993年、駅前通りのイチョウ並木に電飾イルミネーションをかける取り組みが始まりました。企画したのは追分まちづくり協議会の前身、駅前通りイルミネーション実行委員会でした。
その後2005年3月に駅前広場の整備が完成。これを機に、イルミネーションを駅前広場に移し、同時に桑折駅舎でのコンサートを開催しました。その実行委員の中にライオンズクラブの会員も入っていたため、翌年からはライオンズによるチャリティー・コンサートとしてイベントを継続すると共に、イルミネーションの設置にもクラブで協力するようになりました。イベント当日は、ライオンズがコンサートとバザーを担当し、追分まちづくり協議会は豚汁と餅の炊き出しを行っています。
最近では町も、桑折駅を中心としたこれらの取り組みに着目。新幹線と在来線が並走するのが見られる珍しいスポットとして知られる駅北側に「電車広場」と呼ばれるポケットパークを整備してくれました。これを受け、桑折ライオンズクラブは電車広場に桜を植樹すると共に、こちらにも電飾をかけ、イルミネーションをグレードアップさせています。
現在、桑折駅は福島駅管理の業務委託駅となっていますが、福島駅長によると、JR東日本仙台管区の中で最もイルミネーションが美しく、住民が積極的に関与する駅として自慢の種にしており、JR東日本でも高い評価を得ているそうです。
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